TEXT SIZE
  • Sサイズ
  • Mサイズ
  • Lサイズ

2016年03月21日

NightHawkキャンペーンバランスケーブルの試聴リポート

Audioquest NightHawkバランス接続ケーブルとアンバランス接続ケーブルの比較試聴リポート

 

かねてから噂の有った、待望のAudioQuestのヘッドフォンNightHawk専用バランス接続用ヘッドフォン・ケーブルが誕生しました。

                                                 

早速その構造と音質リポートを簡単にまとめましたのでご覧ください。

まず、そのバランス接続用ヘッドフォン・ケーブルですが、図1のように2つのタイプがあります。

                      

左側が、1つのキャノン端子(オス)に4つのピンを配したもので、OPPO社のHA-1等バランス・ヘッドフォン出力端子に対応したものです。

中央が、2つのキャノン端子(オス)にそれぞれ3本のピンを配したもので、AurorasoundのHEADA等のバランス・ヘッドフォン出力端子に対応したものです。

右側が、付属のアンバランス接続用のヘッドフォン・ケーブルです。

NightHawkの設計者であるSkylar Glayは、NightHawkの発売当初から、バランス接続用ヘッドフォン・ケーブルの投入を発言していて、ようやく10ヶ月経って現実のものになりました。

付属のアンバランス接続用のヘッドフォン・ケーブルには、片ch5本の導体が配置されているので、それらを組み合わせることによって、簡単に上記のようなバリエーションに対応したバランス化ができるというものです。

つまり、付属のアンバランス接続用のヘッドフォン・ケーブルと同じグレードのケーブルを使い、ヘッドフォンアンプ側のキャノン端子にそれぞれ合致した配線とすることで、2種類のバランス接続用ヘッドフォン・ケーブルを可能にしています。

ケーブルの導体は、PSC+(パーフェクト・サーフェス・カッパ―・プラス)とAQが呼ぶ、彼らが使用している銅を素材とした導体としては最もグレードの高い導体を使用しています。それを、ソリッド・コア(単線状)導体として使用しています。

これは、「単線は、一般的に広く使用されている細い撚線より、オーディオ用、ビデオ用のケーブルとしては本質的に優れる」という、AQの全てのケーブルに共通の理念を、ヘッドフォン・ケーブルでも実践していることになります。

このPSC+の単線が、片chあたり5本使用され、付属のアンバランス・ケーブルの場合、+側に2本、-側に2本、アース用に1本が配置されます。

また、”パーフェクト・サーフェス”という名が表すように、極限まで導体のサーフェス(表面)を滑らかにすることで、そこに流れる信号への大きな阻害要因を取り除こうという考え方を表しています。

シース内のケーブルのジオメトリー(配置)は、インターコネクト・ケーブルではなく、スピーカー・ケーブルに範をとった形状となっています。

AQの説明では、彼らの中核的スピーカー・ケーブルと言える”キャッスルロック”のジオメトリーを採用した、いわばミニチュア版の”キャッスルロック”となります。

上述したように、アンバランス・ケーブルと今回の2種類のバランス・ケーブルの素材、構造が全く同様なので、比較試聴におけるアンバランスとバランスという2つの伝送方法による音質の違いが良くわかるというものです。

試聴にあたって使用した機材は、パイオニア社のDAC内蔵ヘッドフォン・アンプであるU-05です。

このモデルは、2種類のバランス・ケーブルとアンバランス・ケーブルが簡単に比較できる3種類のヘッドフォン出力端子を装備しているので、今回の試聴には最適です。

ソース・コンポーネントは、PCではなく、マランツのSACDプレーヤーSA-11S3をトランスポートとして使用し、U-05の内蔵DACでDA変換する方法をとりました。従って音源は通常のCD盤であって、SACD盤は使用しておりません。

両機器の接続には、キンバーケーブルのオプティカル・ケーブルであるOPT-1を使用しています。

『アンバランス接続によるNightHawkのサウンド』

 

付属のアンバランス・ケーブルによるNightHawkによる試聴では、(当たり前ですが)いつもの聞きなれたサウンドが展開されます。

つまりメタリックなサウンドとは無縁のナチュラルで十分にコントロールされた生命感を感じさせるサウンドです。

設計者のSkylar GrayのNHに対する設計理念は、「今日の優れたスピーカーと同様の考え方、再生クォリティーをヘッドフォンに求めた」というものです。

これを実現するために、第一には、広く高級ヘッドフォンにおいてさえ散見される周波数レスポンス上の音作り(2kHz~8kHzあたりをブーストする)をせず、極力フラットにする。

第二に、様々な対策を講じダイナミック型のヘッドフォンとしては最も低いレベルの歪率を実現する、というものです。

所謂ヘッドフォン特有の音作りから脱却し、新しいフェーズへの移行を図ったNHですが、主として上記の理由よって、従来型のヘッドフォンからNHへ切り替えて直ちにリスニングをした場合、NHのサウンドに物足りなさを感じるリスナーの意見が少なからずあります。

これはNHが周波数上のフラットレスポンスを実現した結果、誇張されていた帯域情報が減った(というかあるべき姿に戻った)ため、それらの帯域がブーストされているヘッドフォンに比べると、ややもするとマイルドにおとなしく聞こえる、というものです。

しかしながら、弊社の取り扱いブランドであるB&WやDALIのスピーカー用のデモンストレーションを行う場合、その選曲等にヘッドフォンを用いなければならない場合が多くありますが、様々なダイナミック型のヘッドフォンの使用経験を通して、B&WやDALIのスピーカーのデモンストレーション用の選曲に最も適したヘッドフォンの一つが、今のところ個人的にはNHであると思っています。

つまり、そういったB&WやDALIを代表するスピーカーとNHのサウンドバランスは非常に相似であり、両者の歪感も驚くほど低く抑えられているため、NHで良しと決定した曲に対して、本番のスピーカー再生で違和感を感じたことが殆どないというのがその理由です。

この辺については、改めて別の機会に更に掘り下げて述べてみたいと思います。

『バランス接続によるNightHawkのサウンド』

 

アンバランス接続と比べると、NHの再生トーンは非常に近似ながら、サウンドステージは相当に異なり、バランス接続においては、所謂モニター的な再生パターンが展開されます。

複数の楽器やボーカルなど、サウンドステージ上でのぞれぞれの位置関係がより明確となるため、より分析的なリスニング好むリスナーに最適と感じます。

アンバランス接続と比べると、個々の音像は小ぶりによく整理される結果、サウンドステージの見通しは良好となります。

これに比べるとアンバランス接続は、より強いエネルギーは感じるものの、それぞれの楽器の音像が膨らんでしまうため、個々のポジションはオーバーラップし、ややもすると不明確となります。

ある程度は想像していたとは言え、ヘッドフォンに対するドライブ方式の違いで、これほど明確な再生パターンの差が生じるというのは非常に興味深いものがあります。

アンバランス接続は、演奏シーンにいわば頭を突っ込んで聞いている様子に対し、バランス接続は、あたかも観客席から演奏シーンを眺めている観があります。

更に強いて言うなら、「エネルギッシュで有機的なサウンド=アンバランス接続」 VS 「整理されたモニターライクなサウンド=バランス接続」という風になろうかと思います。

これは当然、バランス接続とアンバランス接続の優劣を問うものではなく、リスナーにとって再生サウンドに求めるものは何であるかによって両者は選択されてしかるべきものであると考えます。

また今回の試聴のように、アンバランス接続とバランス接続を切り替えて楽しめる環境をお持ちのリスナーであれば、楽曲やアーティスト、或いはその時の気分によって2つの接続を使い分けるのも、ヘッドフォン・リスニングにおける大きな楽しみ方の一つであるに違いありません。

▲ページトップへ

Copyright © 2012 D&M Holdings Inc. All Rights Reserved.