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DALI RUBICONシリーズ スベシャルレビュー Part.2

 

(Part.1を先に見る場合はコチラヘ)

 

いよいよレビューの本編です。

『RUBICON2で聴いてみた!』(2チャンネル/ステレオ編)

 さて、外観とスペック面から気になる所をご紹介してきましたが、そもそも私が買い替えるに至ったのは、既存のシステムへの不満もあったからでした。MENTOR2は長く愛用してきましたが、納得はしていても満足していた訳ではありません。まず高域が少し硬めで耳に付きます。DALIらしく中域がしっかり鳴ります。欲を言えばもっとフラットに鳴って欲しいところです。また、テンポの速いアニソンやハウス、激しいロックなどはもたついてしまい、ノリきれません。RUBICONでそれらが解決できるのか、気になるところです。

では、RUBICON2を防音スタジオのスタンドに設置し音を聴いてみましょう。

まずは2chから聴いてみます。エージングは、メーカーが推奨する80時間を越える200時間弱くらいは実施しました。アンプはDENONのAVR-X6300H。音源はすべてハイレゾ版を試聴しています。

 

飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013

 「飛騨山娘」

https://synthax.jp/RPR/hida/concert2013.html

ゆったりと演奏に浸れました。まず音場の透明度に驚きます。管楽器などの音圧のある楽器が鳴ったとき、天井の高さが分かってグッときました。弦楽の音は滑らかで、刺激成分が一切ありません。ローエンドはさすがにブックシェルフの限界がありますが、実際のオーケストラの帯域バランスに近いと感じました。

   

H ZETTRIO

「Smile」 (24bit / 88.2kHz)

http://www.worldapart.co.jp/hzettm/smile/

淀みないクリアな音像に驚きです。ピアノ打鍵音やシンバルやハイハットの音など、楽器の存在まで見えそうなリアリティです。音が減衰していくわずかな瞬間がとても写実的で生演奏ならではの魅力を確かに伝えます。ベースはもたつかず、ライブさながらの迫力をしっかり下支えしています。

 

藤原さくら 

red 「また明日」

 

https://www.fujiwarasakura.com/discography/detail.php?id=29

これはミックスが素晴らしい楽曲です。特に注目なのが、生楽器の質感と躍動感がしっかり残っていること。RUBICONは高い解像度で音像描写も抜群ですから、ミックスの良さも相まって楽曲本来の姿に迫っている気がしました。低域はタイトで淀みも無いため、スローテンポの楽曲ものっぺりした感じにならなくて好印象です。

 

二人目のジャイアン 

Friday Night 「Friday Night」

http://www.kokoronotomoyo.net/

通常のバンド編成にパーカッションとホーン隊(3管)を加えた、大所帯バンド。ライブにも足繁く通っている熱心なファンの私です。48kHz制作のインディーズ音源ではありますが、RUBICONは音数の多さに負けず、各楽器を明瞭に鳴らしてくれました。一方で、ミックスの善し悪しがMENTOR2よりも際だってしまいました。ダイナミクスの狭さや各トラックの分離の甘さ、生の質感の度合いなど。歪みが少なく、音場表現にも長けるRUBICONは楽曲の特性を正確に表現してくれます。音像がボヤけたりサウンドステージの透明度が低いと、ミックスの荒さもマスクされてしまうことがありますが、RUBICONはそれがありません。なかなか厳しい結果になりました。

  

ブレンド・A 

ぼなぺてぃーと▽S「ぼなぺてぃーと▽S」

 

https://blend-s.jp/music/

主演声優がユニットで歌うポップチューンは、最近の深夜アニメのトレンドになっています。いわゆるTHEアニソンですが、本楽曲はミックスが高い品質でまとまっていてある種のベンチマーク的存在だと思っています。シンセパートの音の粒子が非常にクリーンです。音像だけがそこにある感覚で、一切のモヤがありません。Aメロのダイナミクスや、リズムのキレがしっかりと表現されています。これはテンション上がります!ボーカルの定位も明瞭でキャラを聞き分ける楽しさも深まりそう。RUBICONはアニソンにも合います!

 

 続いて、私が制作に関わったBeagle Kickの楽曲も聴いてみます。

Beagle Kick

『VOTEVOLUSION』

http://beaglekick.com/cn2/pg200.html

ブラスが炸裂するご機嫌なファンクロック、「VOTEVOLUTION」。音数がとても多く、各パートMAX音量で常に鳴らしているような楽曲ですが、音場の混濁感は小さく抑えられています。テンポの速い楽曲なので、リズムに追いつけないことも心配しましたが、十分にイケてるサウンドでした。MENTOR2の頃は、若干ノリきれないというか、瞬発力に欠ける面があったので大きく改善したのは暁光です。

 

Beagle Kick

『Remenbrance』

http://beaglekick.com/cn2/pg192.html

152席の音楽ホールで録音したジャズカルテット「Remenbrance」。DSD 5.6MHzで6ch一発録りを行い、アナログミキシングを経てDSD 5.6MHzで完成版を作るというプロジェクトでした。響きの余韻が実にホールらしいです。減衰していく音が濁らないということは、現場の空気感を再現する上で欠かせない要素ですね。ピアノ・ベース・ギター・ドラムと、楽器の音もよく見えますし、DSDならではの有機的な質感も確かに伝えてくれました。

 

Beagle Kick

Miracle『Twice the Love』

http://beaglekick.com/cn2/pg204.html

そして、おまけとして2019年春発売(4月28日発売)を予定している2ndアルバムからリード曲の「Twice the Love」を聴いてみました。マスタリングも終わっているので、完成版を流しています。コーラスとサックス、そしてアコースティックベースとドラムがお祭り感を演出する明るいフュージョンです。このお祭りな感じを出すには、躍動感をどう表現するかに掛かっています。RUBICONは……バッチリでした!特に中低域がクリアなので、ビッグバンド調のベースやバスドラがしっかりとリズムを支えています。キーボードやシンバルの音も、とても鮮明で心地よく聞けます。スタジオのモニターで聞いたときより、若干中域が多目かなと思いましたが、そこは音楽の芯を伝える上で必要な帯域です。盛りすぎではないと思います。

 

『2ch/ステレオ編のまとめ』

 他にも何曲か聴いてみましたが、

・音像の無理な強調はないがクリアで高解像

・高域や低域に癖は無く、ナチュラルな帯域バランス

・中域のやや豊潤な部分と有機的な質感はDALIらしさを醸し出す。(あくまで醸す程度)

といった傾向がありましたので、自宅の音源チェック用としては十分な性能を発揮してくれたと思います。音楽制作に使えるかというとYESとは言えませんが、オーディオ向けのスピーカーで鳴らしたらどうなるかという、モデルケースには心から推薦したいです。

という感じでたいへん好印象。買い替えて良かったと思える音で納得しています。どんな楽曲を聴いてもマッチしますが、オーケストラを使ったPOPSや劇伴も相性抜群でした。アコースティック系の楽曲を聴くと特に幸せになれます。

 

『RUBICONのサラウンドシステムを聴いてみた!』(マルチチャンネル編)

  本レビューはこれで終わってもいいのですが、せっかくD&Mさんと直接やり取りしているのだから、究極のシステムを味わってみたい、ということでシアター体験をしてきました!

お邪魔したのは川崎のD&Mビル。社内には、デノンの試聴室とマランツの試聴室があります。雑誌などでよく登場するあの大きな部屋です。こちらに私がお邪魔して、RUBICONで揃えた極上5.1chシアターを体験するという試み。なんという役得でしょうか。深く感謝です。

                

D&M本社試聴室での様子

 

まず、システム構成を説明しましょう。

アンプ:DENON  AVC-X6500H

フロント:RUBICON6

センター:RUBICON VOKAL

サラウンド:RUBICON2

ウーハー:SUB E12F

 

AVアンプはRUBICONシリーズと組み合わせるには現実的な選択肢となるDENONのミドルハイエンド。11chのアンプを搭載した私の自宅にあるAVR-X6300Hの後継機です。

持ち込んだ映画のBlu-rayを何枚か視聴してみました。

 

『ジュラシックワールド 炎の王国』

 

商品名:ジュラシック・ワールド/炎の王国 4K ULTRA HD+ブルーレイセット
価格:¥5,990 (税抜)
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
発売中

 シーン《大雨の中 インドラプトルが寝室に忍び込む~最後の闘いまで》

インドラプトルのうなり声に、量感のある深い低域が入っていたことに初めて気付きました!怖さが断然違います。雨やガラスの割れる音は、実に緻密でハッキリとしています。インドラプトルとブルーのバトルシーンは、両者の体重の重みが分かる臨場感。吹っ飛ばされても、吹っ飛ばされた方向にちゃんと重量のある音が鳴ってくれます。

 

『ザ・パシフィック』

 

商品名:『ザ・パシフィック』
ブルーレイコンプリート・ボックス(5枚組)6,171 円+税
DVDセット(5枚組)4,980 円+税
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
The Pacific © 2011 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and related service marks are the property of Home Box Offi ce, Inc. Distributed by Warner Home Video Inc.

シーン《ペリリュー島の戦闘。雨あられの猛攻の中、飛行場を横断するシーン》

銃弾や砂粒が思わずしゃがんで避けたくなるほどのリアルさです。砂は一粒一粒まで分かるように細かく聞こえてきますし、銃弾にはスピード感があります。

迫撃砲や爆撃は、向きの表現力がすこぶる良好。全方向がワイドレンジに鳴っているので、その場にいるという臨場感が半端ないです。ウーハーに低域を任せるシステムではこうはいきません。戦争映画だけあって、SEがとても大きいレベルで入っていますが、センターのセリフは小さくてもちゃんと聞こえるのがいいですね。音場全体に混濁が少なく、解像度も高いため、埋もれないのもあるでしょう。

 

『ガールズ&パンツァー オーケストラ・コンサート ~Herbst Musikfest 2015~』

商品名:TVアニメ『ガールズ&パンツァー』 オーケストラ・コンサート~Herbst Musikfest 2015~
公演:2015年11月3日、よこすか芸術劇場
音楽:浜口史郎
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:栗田博文
出演:渕上 舞(西住みほ役)・ChouCho(OP主題歌アーティスト)・佐咲紗花
品番:LACA-9436 ~ LACA-9437
価格:¥3,800(税抜)
レーベル:ランティス
発売・販売元:バンダイナムコアーツ
©GIRLS und PANZER Film Projekt

シーン《クライマックスの歌唱シーン 「Glory Story」と「Enter Enter MISSION!」》

こちらは、複数のマイクで録音し5.1chミックスしたコンサートのBlu-ray。ある程度手が加えられていて、いわゆる現場の生の音場を楽しむタイプのソースではありませんが、新たな発見はありました。まずオーケストラならではの重厚感が圧倒的に違いました。私の自宅では10㎝フルレンジの限界もあって、サラウンドからはほぼ低音が出ていません。その分、ウーハーに頼る訳ですが、いかに表現力に差があるか思い知りました。フロントもRUBICON6で余裕を持って低域を出せるスピーカーだったことも影響しているようです。観客の手拍子はホールの高さ感まで分かりました。自宅では、サラウンドは耳よりも高い位置に造作で埋め込んでありますから、設置条件としては理想的です。視聴室は、スタンドに置いているので、ほぼ耳の高さでした。にも関わらず、視聴室の方がリアルでした。おそらく、部屋の広さの他、RUBICON2の解像度の高さと中低域の余裕が効いているのでしょう。新鮮な体験でした。

 

『ガールズ&パンツァー 最終章 第一話』

商品名:ガールズ&パンツァー 最終章 第1話
Blu-ray発売中
発売・販売元:バンダイナムコアーツ
(c)GIRLS und PANZER Finale Projekt

シーン《戦車を探して学園艦を探検する最中、船舶科の生徒にそど子が攫われるシーン》

このシーンはアニメらしく、かなり派手に音をサラウンドに振っています。画面はFPSのように一人称視点で狭い通路を走り、階段を昇り、滑り棒を降りて追いかけます。リアスピーカーからは、足音など実在感のある音がこれでもかと鳴ります。中低域がしっかりとサラウンドから出ていることで、SEの説得力は大きく上がっています。滑り棒を伝って降りるシーンでは、上から武部沙織のお尻がぶつかるシーンがありますが、ちゃんと重量感があってハッとします。

 

シーン《あんこうチームが橋を渡ろうとした際、BC自由学園に奇襲を受け大ピンチになるシーン》

橋のきしみや砲撃の破壊音が大音量に負けない高い解像度と、キレのあるタイトな中低域に支えられて臨場感抜群に描かれています。リアにもちゃんと中低域が入っていたのだと気付きました。橋が壊れていく過程は、あんこうチームにとって大ピンチなのですが、見ているこっちもその危機感を一緒になって味わえます。SEがリアルだと、登場人物の気持ちにもシンクロできますね。音の果たす役割、実に大きいと再認識します。

 

他にもいくつか視聴しましたが、総じて効果音の説得力と音の移動しているリアリティが高く、存分に映画の世界観に浸ることが出来ました。単にすべてのチャンネルを大口径のスピーカーにするだけでは味わえない、RUBICONならではの高い解像度と淀みの少ない音響空間。映画にもマッチしていると思いました。

 

 『マルチチャンネル編の試聴を終えて』

  さて、長らくお送りしました本レビューもそろそろ締めのコーナーに移りたいと思います。RUBICONシリーズは、ブックシェルフのRUBICON2でも実売20万ちょっとですから、気軽に買っていただける製品では無いと思います。このクラスの製品を購入するときは、やはり「自分の今のシステムより良いと思えること」が前提になってくるでしょう。個人的には、デザインが気に入るかどうか、そして音の好みに合うかどうかがジャッジポイントと考えます。デザインについては、個別の感性にお任せするとしても、作りはとても丁寧ですから安心していただけるとかと思います。となると、あとは音です。これまで書いてきた通り、RUBICONは高い解像度と歪み感の少なさ、ナチュラルな帯域バランスと、有機的な質感が特徴のモデルです。理想は、自分の耳で聴いて判断することですが、試聴の機会が取れない方もいると思いますので、本記事はなるべく具体的なイメージが沸くように努めました。

皆さんのスピーカーライフが少しでも豊かになることを願います。ありがとうございました!

 

2019年4月 橋爪徹

【筆者 プロフィール】

橋爪徹

オーディオライター。ハイレゾ音楽制作ユニット、Beagle Kickのプロデュース担当。

Webラジオなどの現場で音響エンジニアとして長年音作りに関わってきた経歴を持つ。

聴き手と作り手、その両方の立場からオーディオを見つめ世に発信している。

Beagle Kick 公式WEBサイトはこちら

 

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